天空を極めろ!
株式会社コミュニケーションシステム
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天空率道場

天空率道場のコーナー設置のご案内

天空率が採用され早くも、まる2年が経過しようとしております。

未だ行政ごとの法運用・法解釈の相違点も多く見られます。

ソフトウェア開発を行なう当社への天空率関連の質問が当社ソフトのユーザーのみならず、他ソフトを利用している設計会社からも「これで正しいのだろうか?」といった質問を多くいただきます。

当社、天空率ソフトウェアが適合領域(区分区域)および算定線(天空率算定位置)を高性能法解釈ロジックにより自動生成する手法でご利用いただいていることもあり、「コミュニケーションシステムに聞けばそれなりの解決法、解釈を説明してくれるだろう」と、いわば天空率よろず相談所的にご利用いただいているようです。

施行2年を迎えて、天空率ソフトウェア開発者として、この天空率緩和がよりロジカルで汎用的であるために、現状の審査における問題点をよりクリアにすべく、パブリックに論じ合う場所が必要だと感じておりました。

この「天空率道場」では、私どもに個別に相談いただいた事例の解決策をパブリックな情報としてお伝えすることにより、皆様のご意見をいただき「天空率とはなんぞや」とより深く天空率を考える場所にしたいと思っております。

※ユーザー様から持ち込まれた敷地形状などは、大幅に変更し問題点のみをクローズアップします。
※場所に関しましては、行政庁により見解の相違が見られる現在においては、「どの行政庁がどのような判断を下したか。」が重要になりますので、都道府県レベルで、『東京都北部地域』などといったレベルでお伝えしたいと思います。
※異なる見解の意見もお寄せいただければ、その意見を提示し問題を掘り下げていきたいと思っております。


◆天空率採用後からこれまでの動き

法56条に天空率が付加され1年半が経過しました。

当初、入隅部の適合領域(区分区域)の法的取扱いなど不明な点の多い状況で施行された天空率ではありましたが、東京都から入隅部の適合領域(区分区域)の考え方、さらに三斜求積など申請資料の作成方法が提示され、全国的に(いわゆる東京方式として)採用され、平成15年3月頃には審査も本格的に開始されました。

天空率計算は法56条を改正した法令とはいえ、従来の斜線規制とは次元の異なる規制です。

従来の斜線規制では、高さ制限以下に計画建築物の高さを制限する線分による比較に対して、天空率では高さ制限適合建築物および計画建築物を天球に投影した面積を比較することで建築可否を問います。(図1参照)

天空率では、従来の高さ制限内の未建築(非建築)領域を天空に投影した面積分、高さ制限を越えた領域に建築物として利用することが可能になります。

つまり、敷地内に空地がある場合、従来の斜線規制では高さ制限以下の単なる空地にすぎなかったのですが、天空率では高さ制限に対する緩和要素として利用できます。

その分、従来の斜線規制内で計画された計画建築物より大規模な建築物が計画できるのです。

天空率の効果の大きさは、斜線規制下で経済的に活用できなかった敷地が、経済的に有効な敷地へとドラスティックに変わり得る可能性を与えます。

審査機関によると申請の8割以上が天空率を利用していると言われています。

そのような状況の中、平成15年末にJCBO(日本建築行政会議)から入隅部など新たな適合領域(区分区域)の考え方が提示されました。

大阪市、横浜市、仙台市では、審査方式・開始時期で多少ばらつきはありますが、JCBO方式に基づいた天空率の審査を開始しました。

その内容は、従来のいわゆる東京都方式と比較し、適合領域(区分区域)および算定線(天空率算定位置)の作成方法で異なる解釈をするものです。

東京都方式における適合領域(区分区域)および算定線(天空率算定位置)の取扱いの基本的な考え方は、天空率の特性を考慮し、従来の高さ制限と比較し、大幅に緩和されないよう緩和効果を抑制することに主眼をおいています。

一方、JCBO方式の場合、従来の斜線規制でチェックしてきた領域(区分区域)とまったく同様な適合領域(区分区域)および算定線(天空率算定位置)に置き換えて処理します。

よって、両者の解析結果および建物規模は大きく異なることとなりました。

この様な異なる解釈方式があることの是非論はさておき、今回は両者の天空率に対する考え方の違いを具体的に記述することにより、その基本的な考え方を考察します。


天空率に関する疑問・質問などは、メールにて⇒info@com-sys.co.jp


◆具体的な相違点

入隅部における適合領域の設定方法の違い
東京都方式の場合

当該敷地の境界線を窓面に見立て、入隅部の角度の1/2までの範囲を適合領域(区分区域)とします。

この方式は東京都方式において一貫した考え方ですが、適合領域(区分区域)の可視範囲を前面壁の部分(図2の赤部)にすることによって、高さ制限適合建築物の天空率がより大きく計算されるように(高さ制限適合建築物が小さくなるように)配慮されています。

JCBOの場合

東京都方式が入隅部で区分区域を分けて解析する方式であるのに対して、JCBO方式は、入隅部を構成する境界の天空率計算は入隅部を一体と考えて計算します。

この方式によると、従来チェックした斜線規制の領域をすべて適合領域に設定する事が可能になります。(図3参照)

そのため、空地の可視範囲に両境界の空地(図3緑部)が含まれ、東京都方式以上に計画建築物の規模を大きくすることが可能になります。

※東京都方式の場合、形状によっては、入隅部において可視範囲に含まれず適合領域(区分区域)に含まれない領域が発生します。(図4参照)

隣地高さ制限におけるJCBO方式間の相違(図5参照)

隣地高さ制限においてはJCBO方式においても、大阪市と横浜市、仙台市での扱いが異なります。

大阪市においては、隣地境界の入隅部は東京都方式と同様に入隅部の半分の角度までを当該隣地境界と一体で解析します。

これは、大阪市において従来の隣地斜線規制においての、入隅部を含む隣地のセットバック距離を入隅部の半分までの位置で分けて採用していた経緯によるものです。

一方、横浜市・仙台市においては入隅部の隣地境界線の延長上までを当該隣地境界と一体で解析します。

また、JCBO方式では、入隅部はすり鉢状の高さ適合建築物を想定します。

隣地入隅部は、JCBO方式を採用する大阪市方式と横浜市で適合建築物の作成法が異なります。

大阪市の場合、当該隣地境界に加えて入隅角の半分の角度までをすり鉢状の適合建築物に設定します。

そのため、算定線も入隅角の半分の位置までに面した円弧に当該隣地境界に平行な算定線を加えた連続線になります。(入隅部の範囲は東京都と同じ1/2です。)

横浜市の場合、当入隅部は当該隣地境界の延長上までを一体処理します。

入隅部はすり鉢状になりますが、算定線は当該隣地境界に平行な位置までに設定されます。

その間に設定された算定位置から入隅部を含みすべてを適合領域とします。

仙台市も同様の方法で高さ制限適合建築物を想定します.(算定位置は東京都方式と同じです。)

 

隣地越えの道路算定線幅の相違
東京方式の場合

東京都方式の場合、当該道路境界の端点に算定線から垂直に延びた延長上で適合領域を作成します。

適合領域(区分区域)の側面部を可視範囲にしないことにより高さ制限適合建築物の天空率が低下しないよう配慮されています。

また、路地状部分がついた敷地の場合、路地状部分のみを区分区域とします。

(当初、算定領域(区分区域)を路地状部分以外へ延長する考えも採用されましたが、現在では当該道路境界の幅までとしている審査機関が多いようです。)

JCBO方式の場合

大阪市と横浜市とでは若干異なります。

大阪市は、従来の斜線規制同様、道路算定線の範囲は敷地幅すべてを包括する長さを算定位置とします。

横浜市の場合、適合領域の範囲(区分区域)の外郭を包括する長さを算定位置とします。

大阪市方式の場合、路地状敷地で隣地部の幅が広い(長い)場合で、路地状部分に建築物を計画した場合、高さ適合建築物と計画建築物を横方向から比較します。

天空率の緩和が効きにくくなります。(図6参照)

左端の東京都方式の位置で比較すると、横浜市・大阪市の場合、高さ適合建築物の側面が視界に入り、高さ適合建築物の天空率が低下します。

大阪市の場合、敷地幅まで包括する長さの天空率算定位置をとるため、敷地の幅がさらに長くなると、真横方向から適合領域さらに計画建築物を眺めることになり、天空率の緩和が困難になる場合が多くなります。


天空率に関する疑問・質問などは、メールにて⇒info@com-sys.co.jp


2方向以上の道路における適合領域の設定方法(JCBO方式)

JCBO方式にのみ共通する扱いで、2方向以上の道路において、2Aを超えた道路中心10m領域が広い道路の有効距離内にある場合、広い道路上からも適合領域を作成しチェックします。

この領域に高さ制限を越える建物を配置した場合、片側の空地での緩和となるため、狭い道路側に相応の空地を設置しないと緩和されないことになります。

同一勾配で領域が分かれることに疑問を抱かざるを得ないのですが、空地で通風、採光を確保する天空率の特性に配慮した一例と言えるとおもわれます。

※道路斜線の適用距離20m、外壁後退距離1mの条件下で最大幅員が、おおよそ6m以下の道幅において2A以上の領域が20m内に発生するため注意してください。


まとめ

天空率では、従来の斜線規制の全エリアを適合領域として設定した場合、必ずしも建物規模を抑制することにはなりません。

いずれにしても、計画地の行政機関が建物規模抑制の東京都方式を採用するのか、従来の斜線規制のチェック領域を天空率適合領域として適用するのかを事前に打ち合わせし確認することが現状では必要になります。

気をつけたいのは、両者を混在した旨の指導を受けることがあるようですが、その際には「建物抑制か」「従来の継続か」を問い正し、協議しないとまったく法的根拠に基づかない建物が計画されてしまう可能性があります。

適合領域の自動生成機能で、天空率の効率化をめざすソフトウェア会社としては、構造計算ソフトのような評定制度を設け、天空率ソフトウェアに対しても評価付けをする必要があるのではと考えます。


天空率に関する疑問・質問などは、メールにて⇒info@com-sys.co.jp

 
 
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